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6月 14

事前検討会【報告】

埼玉政経セミナー主催 
マニフェスト検証大会事前討論会 
私たちの望む未来のまちをもっと語る -開催報告 

埼玉政経セミナー主催による研究発表会「私たちが望む未来もっとかたる」が5月29日午後6時30分より完全オンラインで開催されました。2019年に私たちが作成した「ローカルマニフェスト」の検証を行うための事前討論が今回の目的です。ローカルマニフェストは私たちの活動の指針ですが、同時に活動を通して様々な人たちとコミュニケーションをとるためのツールでもあります。マニフェストの前文に記したように、「マニフェストをツールとして使う」具体的な試みでもありました。今回は3月14日の研究発表会からのテーマである ①公共(協働)交通を作るには ②人口減少はマイナスか ③生活保護と貧困 について分科会に分かれ、参加者の方とともに論議を行いました。
分科会の前の全体会では、まず代表の白川秀嗣越谷市議会議員より3月の研究発表会の総括と、マニフェストの検証を行う理由、事前討論の目的などの説明を行った後、3月14日に行った研究発表会のテーマに沿って、自分が取り上げたテーマがマニフェストとどう関連しているのか、今後どのように進めて行きたいかについて、各担当から説明を行い、分科会に分かれました。

「公共(協働)交通をつくるには」
協働法にもとづき、それぞれが出資して地域で福祉有償運送を、担っているところが多くなってきたことを踏まえ、

1 白岡の乗合交通を市外にも広げる
2 公共交通の協議会活性化
3 近隣の行政がおこなっている循環バスの相互乗り入れの可能性を探る
4 地域を中学校区にわけた、地域有償運送を検討する

というテーマで話し合いが行われました。今、生協など民間が行う福祉有償運送とも増えていますが、実際こういったサービスは市民と行政のどちらが担うことが良いのかという視点から始まり、現状の報告や課題、新しいサービスについての具体的な提案などが出されました。しかし徐々にこうした公共交通の問題は、「運送」だけではなく人々が集まる「コミュニティ」があってこその活用ではないかという意見に集約していきました。高齢者をはじめとした老若男女が集い、安心できる居場所を地域があり、そこを行政が支援するような形。仕組み作りを地域住民が行い、その活性化を行政が支援していくことが必要。まず、人が集まる場所をつくることの重要性に気付きました。

「人口減少はマイナスか」

1 長期視点をもって中短期視点の課題を解決するには?
2 その時の「軸」となる考え方は?
3 それは「誰が」考えるのか?
4 それは「誰と」とつくっていくのか
という視点での話し合いを行いました。最初に、「人口は増えない」という前提を皆で共有し、そのうえで「住みやすさ」とは何かについて、適正な人口、年齢構成、都市構造など、様々な角度からの意見がだされました。魅力のあるまちとは、市民の生活において行政の機能が発揮できている場所です。行政から提供される沢山のサービスの中で市民が本当に必要とするものを市民が話し合う場をつくり、考えていくところから始めるのはどうか、理想とする地域社会(残していきたい自然環境や文化など)のために市民がどこまで我慢でき、行政は優先順位をつけていくのかを話し合うことのできるコミュニティ、立体的な多様性をもつコモンズをつくることが持続可能な社会をつくるもとになっていくのではというまとめになりました。

「生活保護と貧困」
学校給食の無償化を実現することを例に挙げ、行政にすべて任せるのではなく、私たち自身が増税という形で負担をすることを取り上げました。「給食の無料化などベーシックサービスを展開するためと思えば、市民税でも消費税でも抵抗感はない。」「消費税増税はそもそも三党合意で社会保障に使うべきもので、何のために増税するのかお金の使い方がはっきりしていれば良い。」や、反対に「消費税は三党合意の結果からしても税配分が信用できず、増税などありえない。累進課税や大企業への増税で負担すべきである。地方自治体として負担を考えるのであれば、無駄の削減や議員定数減などで財源を捻出すべきで市民税等の増税はすべきではない。」といった意見がだされました。全体として、増税はいいけれど、ただ高くなるだけではなく納得できる使い道を明確にしてもらえれば良いが、スウェーデンのような高福祉高負担に近づくことでどこまで負担が増えていくのかは注視していく必要があるとのまとめになりました。

分科会後再度全体で集まり、各グループのまとめが発表されました。また、公共交通に関してはそもそも「移動」ということに関して、そのコミュニティにとってどのような意味があることなのか、住民の生活という視点からもう一度考え直すことの重要性、人口減少に関しては「人口が増えない前提」で話ができたこと、人口が増えないから、「どこからか連れてきて」増やす。人が増えればまちは活気づき、サービスや物が増えて豊かになるという発想自体から抜け出した「幸せとは、豊かさとは何か」について考えていかなければ、持続可能な社会を作り出すことはできない。私たちはどういう地域を望むのかを長期的な視点で話し合う必要性を、社会保障については、行政が使いこなしていない税収の使い道の検討、何を切り捨てて、何をあきらめ、何に集中するのかということについて、市民が関わらなければ納税の有用性を感じることが出来ないということについて白川議員より総括がありました。
3つのテーマは一見バラバラな内容に思えますが、こうして話し合いをしてみると、共通の結論が出ています。それは、「どういう共同体を長いスパンを視野に考えていくのか、その担い手は市民であり、だからこそ税金の問題も増税も含めて考えていく」というものです。今の公共サービスを維持するためには現在の税収と人口減少時の税収を比較し、どのくらい増やす必要があるのかを考えなければなりません。しかし、たとえ増税をしてもすべてのサービスを維持することは難しいという結論になります。その時にどの公共事業が必要であるかという議論とその決定プロセスに私たち市民が関わることとは、公共交通の分科会での、「安心できるコミュニティを地域がつくり、その支援を行政が行う」ことや、人口減少での「市民がどこまで我慢し、行政はサービスの優先順位をつけられるか」、社会保障での「増税に抵抗はないが、使い道が納得できるものでなければならない」といった結論が表しているのではないかと感じました。